映画「セッション」を見て

才能と狂気

毎年3月~5月は集中して映画を見に行く。
その年のアカデミーショーが発表されるからだ。
既にこの2カ月の間に4本の作品を見た。
「バードマンあるいは」
「博士と彼女のセオリー」
「イミテーション・ゲーム」
「アメリカン・スナイパー」
それぞれが、「ほぉ~成るほど」と興味をひく
趣向をこらした作品に仕上がっており面白い。

先日見にいった作品は「セッション」

内容の概略は
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと
決意するニーマン。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として
名 をはせるフレッチャーだった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な
演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、
その指導 に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャ
のレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。
その先生と生徒の葛藤を描いた「音楽映画」です。

 感想は:
「テーマ:着眼点」と「演技力」ともに凄い作品だった。
「血の滲む」を超え、リアルに血潮飛び散るドラム・
パフォーマンス、ここまでいくと「狂気」。
描かれた「執念」にも似た葛藤に圧倒され、最後は
「放心状態」になった。
出演にあたって音大生のニーマンも演技とはいえ猛特訓を
しんたんだろう。拍手をおくります。


思いで:
私は高校時代はブラスバンドに入部していた。
部門は打楽器。
いや~、良く練習しました。(映画程ではないが)
机の上に濡れ雑巾をひいて、反動を殺し手首を鍛えた、
また鉛のスティックに変えての強化練習もした。
冬はスティックが当たる薬指の爪の部分が割れ
血が出て、そこにスティックがあたると、
飛び上るほど痛かった記憶がある。

またある時、音大に進む為、途中で退部した先輩が
覗いてくれ、指導をしてくれた。
その初めて見た模範演技にはびっくり仰天。
タン   タン   タン  タン・・・・・ と
左右のスティックで短音をゆっくりなテンポから順次
早くしていくのだが、最後の方は「ザア‐ーー」滝の水が
飛沫をあげているような感じになり「なんだこりゃ~」と
度肝を抜かれたことを記憶している。


「地元で天才」と呼ばれていても「プロの世界」に入ると
そんな奴がゴロゴロいる。
その道で「飯を食う」とは、いや~半端じゃないと
「プロの世界」の厳しさを痛感します。