ミシシッピ川と讃美歌

アメリカの「第二の国歌」
アメイジング・グレース」

先日、NHKハイビジョンスペシャルで
「大河に時は流れる」を視聴した。
企画もさることながら事実関係を良く調べ
貴重な映像を集めた素晴らしい番組でした。

内容はアメリカの中央を北から南に貫く
ミシシッピ川を北にニューオリンズから
上流部のシカゴまで遡りながら、
時代の流れと共に讃美歌「アメイジング・グレース」が
人間の尊厳を讃える世界的なポピュラーソングへと
姿を変えた過程を明らかにしていくドキュメンタリー番組です。

黒人の「奴隷制度」を正面から捉え
その悲惨さを慰める讃美歌を主要テーマにしています。
しかし、こういう事例などを見ると、
アメリカという国の身勝手さと「本音と建前」の
使い分けに複数の事例を通し嫌悪感を覚える。

“ 万人は平等であり、
  万人は自由であり、そして
  万人は限度いっぱいの幸福を追求する機会に値する、
  という神に与えられた約束だ。”
という素晴らしいアメリカの建国の基本理念を
唱えながら、黒人、先住インディアンに対し
何故こんな非情な仕打をしたのか理解に苦しむ。
“ 言ってる事とやってる事が違うじゃん”

アメリカのもう一つの精神理念「個人主義」。
( 強いものが生き残るのが「正義」、
  その行動をささえるのが「自由」)
これが根っこにあり、
自分たちに都合の良い原理が支配しているからだろう。


以前ニューヨークに旅行した際、ハーレムの
教会に参加しました。
とにかく信者の乗りが凄い、
手拍子、OH Yeah!の合いの手を入れながら
次第に一体となる「高揚感、リズム感、ハーモニー」
傍聴していた私も自然に
手拍子しながら体を揺らしていた記憶があります。


アメイジング・グレース」の作詞家は
イギリス人ジョン・ニュートン
しかしニュートンの仕事が「奴隷商人」だった
というんだから、ちょっと皮肉な話ですね。
作曲は諸説あるようですが、アメリカ
アパラチアン地方に移民してきたアイルランド
の民謡から生まれたようです。


♪驚くべき恵み! 何という優しい響き
こんな無頼漢である汚れた私をも救って下さった♪
から始まる「アメイジング・グレース」は
1947年にマヘリア・ジャクソンが最初に
録音したそうです。
以前、購入したCDの1曲目に入っています。


一般的なメロディーとは少し違いますが、
包容力のある声の深みとただ事ではない声量は、
まさに魂が揺さぶられます


後、有名なとこではエルヴィス・プレスリー
1972年のアルバム『至上の愛』にとりあげ、
多くの人を魅了しました。

死ぬまでに、憧れの「ニューオリンズ」に行けるかな?
ふっと、考えてしまいました。